Philip Koutev National Folk Ensemble – Bulgarian Polyphony [Ⅰ]

ブルガリアン・ポリフォニー(1)~JVCワールド・サウンズ / Array / CD ( Music )

ビクターエンタテインメント( 2000-07-05 )

定価:¥ 1,995 ( 中古価格 ¥ 2,089 より )


1952年にがブルガリアで結成した「ブルガリア国立放送合唱団」の1988年の来日時に行われたコンサートの録音盤。ブルガリアン・ヴォイスと一般的に言われる独特のコーラスは、民族音楽らしい不思議な聴感を持った歌声と、いわゆるクラシック音楽によって確立した西洋音楽の響きとは違った独特の音階、それに、複雑なリズムを有するものです。

今年は私zedoshoは新年の計画表で、民族音楽を自分のライブラリに充実していくことを目標にしていたものの、ほとんど手つかずのままでした。たまたま彼女がこのCDを持っていたので、聴く機会を与えられたのですが、この盤は民族音楽でありながら、民族音楽でない、というちょっと複雑な事情を抱えている音楽のようです。詳しくは、http://www3.ocn.ne.jp/~zip2000/Philip-Koutev.htmを参考にして下さい。伝統的な民族音楽を現代的な感覚にアレンジされていたり、フィリップ・クーテフは新曲も作曲されているらしいのです。

なので、この音楽を頭から民族音楽として信じて聴くのと、そうでないのとでは、捉え方が大分違うように思えるのです。共産主義的な言い方で言うと、この音は「前衛」なのであり、「高潔」な優れた音楽として、「進歩」したものだと言えるのでしょうか。その考え方が良い考えであるのか、悪い考えであるのかは別にして、かなり完成度が高い、という思いを持ちます。

大半は伴奏楽器を加えない、コーラスのみで構成された曲が多いのです。1曲目の「Jsnala E Dilber Jana」を聴いた瞬間、その美しい歌声にズシンと胃の腑をパンチされたようなノックアウトを受けます。いわゆる、マスイメージとしてのブルガリアン・ヴォイスらしい、まさにそのままの形がここで歌われているのですが、多少ノイズが気になることを除けば録音の状況も良いこともあって、堂々とした感じがします。

3曲目の「Pilenze Pee, Govori」なんかはコーラスがかなり俺好みで、かなり胸キュンしてしまいますね。通俗的な言い回しですが、そのぐらい、現代人の音楽感覚にも素直に心に入ってくると感じると言うことです。目を閉じていると、壮大な自然が目に浮かぶようです。緻密なコーラスワークですが、人間がコントロールできない自然の摂理を自分の身に感じさせてくれるような壮大さも持ち合わせていると思います。宇宙は、人間にこういう能力をなぜ授けたのか?と運命的な何かを感じさせずにはいられません。

5曲目の楽器のみの曲「Stoyan Ide Ot Grad Zarigrad」も素晴らしい。さらに、6曲目、7曲目ではこの楽器の随伴を伴って、強烈なコーラスが重なり合います。ブルガリアン・ヴォイスに持っていた透明な印象とは、またひと味違った印象を残すもので、厚みのある曲ですね。楽器の演奏は、コーラスに比べると、またひと味違ったハーモニーと踊りたくなるようなリズムワークがいいです。

「Dimjaninka」は演歌で言うとコブシの部分がふんだんに感じられる好曲。ビブラートはないけど。「のど」で歌ってます。でも、西洋音楽に劣らないパワフルさを持っていてすごいんです。こういう曲を聴くと、陳腐な言い回しだけれど、人類が本来持っているエネルギーを感じずにはいられません。続く、「Dve Shopski Pesni」もそう。前半の曲より、さらにこのような深い部分に誘うこのCDの構成はよく考え抜かれていると思います。コーラスの終わり際に発声される裏返りのような声は、アメリカで言えばメタリカ、日本で言えば人間椅子に感じられるロック的なニュアンスを感じます。このアルバムは、実際のところ、ロック的な精神としても良いものを持ち合わせている感じがします。

素晴らしい盤に出会えましたので、この方面も掘っていきたいと思います。土着的な民謡の録音があるようなので、次はそれを聴いてみたいですね。

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  1. .oO .oO ズレ » ブルガリア ~神秘の歌声による2009 年 7 月 21 日 9:56 PMの投稿

    [...] 以前にフィリップ・クーテフによるブルガリア国立放送合唱団の音源を紹介したことがありましたが、それに比べると当然のことながら楽曲の複雑さは無く、一曲一曲も若干短いですし [...]

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