70年代にイタリアで活躍していたプログレッシブロックのバンド、Areaの1975年のライブを収録したアルバム。ジャズ的なアプローチをするバンドは数あれど、Areaは地中海の土着的な音楽へのアプローチや脅威のボーカリゼーションをするデメトリオ・ストラトスの存在などの特色を持っており、かなりアクの強いバンドです。
アレアツィオーネ“アレア・ライヴ”(紙ジャケット仕様) / アレア / CD ( Music )
ストレンジ・デイズ・レコード( 2007-07-25 )
定価:¥ 2,940 ( 中古価格 ¥ 2,280 より )
即興的に行われる部分も数多く、フリーな演奏も繰り広げられています。メンバー全員の技術力が異常に高く、しかも、皆キレの良いプレイを繰り広げていることから、緊張感の高い雰囲気が出ていて、手に汗握るという表現がぴったり来ます。どの曲もかなり複雑な変拍子が使われているものの、なんとなくメロディが印象的で耳に自然と残る気がします。
1曲目の”Luglio, Agosto, Settembre (Nero)”は1stアルバム”Arbeit Macht Frei”の冒頭でいきなり度肝を抜いたあの曲です。スタジオ盤ほどの完成度はないものの、中間部の混沌とした雰囲気がスタジオ盤にはない感じがしていて、良いものです。
2曲目”La Mela Di Odessa”はテンションの高いハイスピードな演奏が始まりますが、まあドラムを中心にものすごいことになっています。ジャズ的なアプローチが随所に感じられますが、フュージョンというほど日和った演奏は全くせず、まさに硬派なジャズロックというところ。途中リンゴをかじる音が入っていますね。その後の9/8+10/8のリフの部分もカッコイイ。ファンクと言うには濃いグルーヴは無いのだけれど、軽快にすっとばす感じがあってノリが良いのです。
“Cometa Rossa”はいかにも民族音楽的な音階で奏でられるリフが素晴らしい。こういう細かいフレーズでもメンバー全員がピタリと合うのは驚くほかありません。ストラトスのこぶしのきいたボーカルがたまらない。喉をふるわせて歌う独特の歌唱法は存分に堪能できます。
アルバムタイトルと同名の”Are(A)Zione”はインプロビゼーションが大々的にフューチャーされており、いきなり混沌とした雰囲気で始まります。メンバーの演奏を楽しむならこの曲でしょうね。約15分という尺ですが、切れの良い演奏に乗ってあっという間に走り抜けてしまいます。シンコペーションの嵐のような複雑なビートや、かなりフリーな効果音なども配置されており、ジェットコースターと呼ぶにふさわしい展開。後半のストラトスが自由闊達に歌いまくる部分や、ビートが弱くなってからの不思議な感覚も、一般的なプログレッシブロックとは異なったバンドの態度を表しています。
最後は”L’ Internationale”で締め。これはインターナショナルという共産主義の労働歌ですね。Areaはイタリア共産党と密接な関係を持っていたそうです。しかしまあ、これも凄まじいです。普通の演奏をするはずがありません。メロディを奏でている楽器以外がドシャメシャに入り乱れています。でも、ちゃんとビートはキープしているんですよね。
ただのバリテクバンドではない、テクニックというものを超越したスリリングなプレイを聴きたい人には強くお勧めします。
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