そのタイトルが示すとおりエレクトリック・マイルス期のベスト盤なのですが、実際には、ビル・ラズウェルがマイルスの音源を抜粋して、リミックスし、1時間ほどの尺にミックスしたものです。収録されているそれぞれの曲は途切れることなく、次の曲にゆっくりとミックスされていきます。
Panthalassa: The Music Of Miles Davis 1969-1974 / Miles Davis / CD ( Music )
Sony( 1998-05-01 )
定価:¥ 871 ( 中古価格 ¥ 1,797 より )
ビル・ラズウェルはマイルスの世界観を尊重したリミックスをしていて、かなり好感が持てます。音の作り方はエレクトリックミュージックの流れを経た現代的なものだと思うのですが、やりすぎて壊すことがありません。音の立体感とかつぶ立ちがいいですね。リバーブが深めに掛けられているせいか、”Rated X”のような速くて激しい曲でも、それほどうるさくは感じません。オリジナルのアルバムたちのような、ちょっとざらっとして荒々しい感じの音とは違うんですよね。
曲の流れもすばらしく、緩急付けて展開をしているものの、個性的な曲達を違和感なくなめらかに聴かせています。 ちょっとするっとおいしく頂けすぎるというか、あまりにも無理がない感じなので、このアルバムを聴き終わっても、個々の曲のイメージがあまり残らないのも、面白いです。そういえば、全体的な音のトーンも全体の流れを一つとして作られている気がします。
ラストの”He Loved Him Madly”がたまりません。スローテンポでゆらゆらとした雰囲気でとりとめのない感じですが、落ち着いた曲調でちょっと泣きが入っているのが、アルバムの最後らしいです。どっぷりと沈み込むような雰囲気でさらにマイルスの呪縛にからめとられます。
エレクトリック・マイルスを体験したいけれど、どれを聴いて良いかわからないよ、という人にはオススメします。各曲の良いところをうまく抜粋しているので、まずはこのアルバムを入り口にして深い世界に入っていくのがいいのではないでしょうか。
タグ: Ambient, Bill Laswell, Jazz, Miles Davis, 煙たい
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