グラインド・コアの始祖とされるNapalm Deathが放った2ndアルバム。1986年作。ハードコア・パンクをさらに速く、さらに過激に推し進めていった音楽性は、後のデスメタルにも通じていくものだと思うのですが、このアルバムは、パンクとメタルの良いとこ取りでどちらのリスナーにも訴えかけるものがあると思います。
収録曲28曲、トータルタイム33分04秒というわけで、ほとんどの曲は2分に満たないものが多く、最短の曲が”You Suffer”の1.3秒(ユー・サファー – Wikipedia)。このあたりはいかにもハードコア・パンクらしい。
高速なブラストビート(ドガドガドガドガドガドガドガってやつ)を奏でるドラムの上に、地鳴りのようなベースが鳴り響き、ヘビーなリフをギターが刻み、デス声のボーカルと狂気の叫びが一体となって、どでかい鉛玉が身体めがけて発射されるような、すさまじい音楽性。その後のデスメタルのフォーマットを作ったという意味でも重要なのだが、自分としては根底に流れるパンクの魂に注目したいです。リフもパンキッシュだし。
アルバムはレコードのA面とB面でメンバー構成が違っており、サウンド面でも若干異なっているのですが、作曲面だとそれほどの違いは無いですね。このこもった音質の悪さがこのアルバムの魅力を存分に引き出していると思います。その後の”From Enslavement To Obliteration”よりもこっちの音の方が、勢いもあり、生々しい感じがして好きですね。
グオーンという音の塊から始まる壮絶なプレリュード”Multinational Corporations”から、ギターのガリガリしたリフが飛び込んでくる”Instinct Of Survival”の流れで一気に心を掴まれます。スッタンスッタンというビートから一転してブラストビートに切り替わる瞬間はいつ聴いても鳥肌ものです。曲の構成もいいですね。ボーカルが何を言ってるのかわからないのも、素晴らしいです。
“Scum”のイントロののたうち回るようなグルーヴ(という言い方をして良いのかわからないが)も、なかなか素敵。ブラストビートの部分はごく短いですが、緩急を付けることでスピード感を増したように感じられるところも、この手の音楽の基本でしょうね。”Sacrificed”のベースの音がひどすぎる。歪みまくっていてブリブリいってる。この音色を聴くだけで、全身からエナジーがほとばしること必至。
以下、もう同じ調子で突っ走っていくので、30分強という短さでも、お腹が一杯になります。もう、この音の塊を浴びるだけで良い。そう思ってしまう出来映えです。
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