1966年に発売されたライブ盤。このころのJohn Coltraneは既にフリーな演奏をし始めている頃であって、このアルバムはかなり興味深いものになっています。Love Supremeの頃とはメンバーががらっと入れ替わっているようです。Alice Coltraneも参加していますね。
Live at Village Vanguard Again / John Coltrane / CD ( Music )
Grp Records( 1997-03-11 )
定価:¥ 1,717 ( 中古価格 ¥ 1,265 より )
1曲目の”Naima”は穏やかな曲調ながら、テーマ以外の部分はなかなかにフリーな演奏がされていまして、最後そこからテーマに戻ってかっちりとした演奏に移り変わるところは何とも言えない高揚感があります。この、リズムが解体されているか、そうでないのか、明快にわからないギリギリのところでされる演奏はとてもスリリングな感じがします。完全にメチャメチャにやってはおらず、一定のテンポをそれぞれのパートがちゃんと合わせているのですけれど、小節の感覚が希薄な演奏になっているので、なんとも表現しがたい複雑な絡み合いみたいな演奏が展開されています。あ、でも、ちゃんと曲のしっとりとした雰囲気は残っていますからね。特にピアノには、叙情が残っています。その上でのコルトレーンのかすれたブロウ。
そして、2~3曲目の”My Favorite Things”。あれですよ。ミュージカル映画”Sound Of Music”の中でもっとも有名な曲なのではないでしょうか。俺も知っているぐらいだし。JRのCMにも使われたし。
まずはベースソロのイントロから始まりますが、あの有名なテーマのコードに沿って緻密なニュアンスで演奏されるフレーズは、これから行われる曲を期待させるにふさわしい演奏です。そこに各楽器が入ってくると1曲目よりもさらに高みに登るような演奏を繰り広げていきます。アリスのピアノが1曲目と打って変わってテンションの高い崩した演奏をしているので、疾走感を感じます。コルトレーンがあの有名なテーマを奏でている時に皆がすっと寄り添ってきますが、またそのあと各々バラバラに、でもバラバラでなく、絶妙な間合いを計っている様が、手に取るように伝わってきて、聴いているほうもその武道を見ているかのようなテンションを持ち続けないといけない。曲の後半、ファラオ・サンダースとの吹きまくりの部分がいいっすね。でも、それ以上にドラムのラシッド・アリのドシャドシャとした演奏がスリリングなのです。これはドラマー目線のひいき目でしょうかね。
もう、延々と20分ほどのフリーな演奏が続きまくるので、少々聞苦しいという意見にも同意しないこともないのですが、反面、曲を予定調和から外していくプロセス、そして、テーマに戻ってふっとメンバーの力が収束する瞬間というのを感じ取れる素質を持った人はかなりいるのでは?特にこのブログを頻繁に読んで下さっている方には、身構えることなくのめり込んで聴いて欲しいです。そういう方には「聴きやすいアルバムから」ではなく、あえてこのアルバムのエネルギーと小賢しく考えられていない駆け引きを理解することは難しくないでしょう。
なーんて、上から目線で語ってしまいました。俺はジャズのことなんて全くわかりません。でも、やばいんです。聴き終わった瞬間にため息をつけ!
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