マハヴィシュヌ・オーケストラをやめたJohn McLaughlinが、インド人のメンバーと組んだ超絶技巧フュージョンバンドの3rdアルバム。音楽性はもちろんインド音楽に近いものですが、西洋音楽の要素も取り入れられ、まさしく本物のフュージョンと呼ぶにふさわしい仕上がりです。
Natural Elements / John McLaughlin / CD ( Music )
Sony Jazz( 2001-07-01 )
定価:¥ 817 ( 中古価格 ¥ 579 より )
マクラフリンはアコギで演奏をしていますが、ものすごいですよ!細かなフレーズもカッティングも非常に綺麗な粒立ちの良い音色です。他のメンバーも負けず劣らずな実力派。特に高速で変幻自在な音色の叩き分けをするタブラのZakir Hussainがものすげえ!バイオリンもまさに天駆けるといった感じで、飛び回ります。変拍子や複雑なシンコペーション、速弾きの音の乱れ打ちなど、一糸乱れぬアンサンブル、全てにあごが外れて元に戻りません。
しかし、そういったテクニックの披露に終わっていないのが、このアルバムの良いところです!!!!!!!!楽曲の豊かなフレージングもユニゾンもこのテクニックがあればこそ。まさにこの楽曲を演奏するのに必要不可欠なのがこのテクニックであって、主客の転倒を起こしていないんですね。頭でっかちな技術信仰主義とか、反対に「テクニックじゃねえ、ハートなんだよ!」とか言ってる人は、このアルバムを聴いてひれ伏してもらうしかないでしょう。
曲調は非常に爽やかで、小難しい感じは全く受けません。むしろ聴き心地がよく、この手のジャンルが苦手な人でも取っつきやすいと思います。聴いていると緊張感と共にリラックスができるような。
録音状態も素晴らしく、非常につややかな音色です。各楽器のバランスも良いですし、ちゃんと細かいところも聴き取ることの出来る良い録音状態だと思います。若干時代を感じさせるところもありますが、オーバーダブされている各楽器の音色も丹念に調整されていますし、この超絶技巧を楽しむにはもってこいの音質と言えるでしょう。
冒頭の”Mind Echology”から、超高速ビートで圧倒されます。ドラムンベースぐらいの速度で、ひたすら16分を刻むパーカッション、ギターとヴァイオリンのユニゾン、ギターソロの光の矢のようなピッキング、続くヴァイオリンのソロのニュアンス、全てが必然として生み出される快楽。とにかく、下の動画を見て下さい!いきなり、ヤラレタって思うはずですよ。
全編キメだらけ、というか、キメしかない小曲”Come on Baby Dance With Me”のギターとヴァイオリンのユニゾンも聴き所。間を闊達に埋めていくパーカッションがいいんだな。これが。
“Happiness is Being Together”はインド音楽に加えてラテンな感じがするので、一体ここはどこの大陸なんだ?と悩んでしまう。アジアなのか、アメリカなのか、ヨーロッパなのか、はっきりしろよ!みたいな。それは冗談としても、とっつきやすいボーカルの小気味良さにも表れているとおり、見事にアマルガムな音楽の魅力を持っていますね。インド人がラテンをやると、やっぱりこんな感じになるんだろうか。。
“Get Down and Sruti”は後半のパーカッションと口ドラムが合奏される部分が非常にカッコイイ。この曲は全体的にメロディの楽器よりもパーカッションが目立っていますね。音量バランスもそうですし、曲の構成もそういう作りになっている。壺を叩く人も格好良すぎ。
俺はフュージョンよりもジャズロック派で、テクニックだけでなにも感銘を受けないのがフュージョン、という思い込みがありましたが、耳から鱗が落ちた気がします。
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