Big Blackを解散したSteve Albiniが結成したバンドです。Big Blackではドラムマシンの機械的なビートに乗って演奏していましたが、このバンドではちゃんと生のドラムでやっています。アルビニはギタープレイヤーとしての顔以上に、Nirvanaなどのバンドのプロデューサーとしての顔の方が有名ですね。
Two Nuns & A Pack Mule / Rapeman / CD ( Music )
Touch & Go Records( 1994-08-31 )
定価:¥ 1,347 ( 中古価格 ¥ 961 より )
ドラムマシンから本物のドラムに変わったことによって、曲のビートは直線的なピストン運動から、もうちょっと横ノリの回転運動になっています。スピード感は若干落ちてる気がしますが、うねりがあります。曲の構成も少々複雑になっている気がしますし、譜割りが細かくなってるとか、作曲面でも大分影響を及ぼしています。しかし、あのジャキジャキとしたギターのサウンドは全く変わっていません。Big Blackが肉体をスライスするかのような鋭利な殺人機械だとしたら、こっちは斧で頭からぶった切るような殺人者であって、やっぱり暴力的。。刃物を振り回す速度が違う感じはするな。
“Monobrow”の最初のギターのフレーズを聴くだけで、頭がヒリヒリして来てしまいそうですが、そこからドラムとベースが入って来ると「襲われる!」と思います。ギターのスキマの多いブレイクや途中の高速ビートの部分の緩急の付け方もたまりません。
“Kim Gordon’s Panties”は、RapemanがSonic Youthと対バンしたときにアルビニが演奏したら、後でサーストン・ムーアにぼこぼこされたという話がありますが、ホントかどうかは知りません。”Marmoset”はBig Blackで演奏されていても不思議じゃないような曲調ですね。こういう曲を聴くと、「相も変わらず」という言葉を思い出します。
俺が一番好きな曲は”Superpussy”ですかね。ドラムのビートが若干変則的で、スピード感もあって、何よりもアルビニがあの声で”Superpussy!”とか叫ぶのだからたまりません。2分ほどの短い曲ですが、曲とサウンドが余りにも完璧なので、強烈な印象を残します。アルバム中、この曲は若干音がクリアになっていて、他の曲と比べるとミックスが大分変わったものになっていますね。でも、やっぱり、アルビニの音。
ボーカルはディストーションが掛けられ、歪んでノッペリした音質になっていて、他の楽器の生々しさの中で、なんとなく控えめな感じがします。楽器のうるささの中に、ボーカルが入ってくると隙間を埋めて、さらに密度が高くなるような感じがします。ボーカルで曲を引っ張るタイプの音楽ではないので、このミックスの仕方は正解のような気がします。
このバンドは余りにも率直なバンド名が問題視されたため、このアルバムと一枚のEPを残しただけで解散の憂き目に会うことになります。
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