今回は、ハードコア・パンクと、その影響を受けたBoredoms関連の音源を紹介したいと思います。
Boredoms – Super Root 3 (Hard Trance Away (Karaoke Of Cosmos))
1曲33分。山塚アイの「ワンツー」の叫び声から、ひたすら8小節のループを持続するだけ。コードチェンジが5分ほどの間隔で行われる以外は、ただひたすら速いビートで強烈な疾走をするだけという、ハードコア・パンク・ミニマル。ミニマルといえども、パンクらしい荒々しい演奏に、ギターのフレーズの微妙なゆらぎがあって、人力でこれをやることの意義って非常に大きいのではないか、と感じます。
前回の記事ではE2-E4をとりあげ、ミニマルで走る難しさと格闘していましたが、この音源に関してはそういう心配は無用です。ヘビーなギター、シャンシャンと鳴り続けるシンバル、コレ聴けばいやでもアップテンポで走らざるを得ない。軽く流すつもりでいても、自然とスピードが上がってしまうので、ゆったりとジョギングするには不向き。ラストの山塚の叫び声から静寂がもたさられるフィナーレまで、なんとかこのテンションを保とうと必死になります。コードチェンジしたときの快感も走っているときには、実に良いタイミングでもたらされます。音程の高いところから、また、ドスの効いた低音に落とすところにはカタルシスすら感じます。
まさに、ランニングはトランスであるということを証明できる一枚でしょう。
Discharge – Why
こちらは正統派のハードコア・パンク。不朽の名作と言われていますが、そこら辺のことはわかりません。ほとんどの曲が1曲2分足らずで終わります。重たく、暗いフレーズに、ボーカルの叫び。でも、ギターの音を聴くとやっぱりパンクだなって思う。
Why (Reis) (Dig) / Discharge / CD ( Music )
Captain Oi!( 2007-04-24 )
定価:¥ 1,989 ( 中古価格 ¥ 1,268 より )
本編の薄汚い録音が却って、生々しいエネルギーを感じさせる。若干突っ込んだギターと、スッタンスッタンと高速なビートを叩いているのにもったりしている、というバンドのグルーヴが、混沌とした塊になって頭に突っ込んでくる。やけくそになって走りたくなるので、これもゆっくり走りたいという時には向きません。走っている途中に川があったりすると、ダイブしたくなる、そういう音楽です。
はっきり言って、どの曲も同じです。金太郎飴です。だから、タイトル曲のWhyでも聴きやがれ!!!!一緒に「わーい、わーい、わいわいわーい」と叫んで走ると楽しいです。
後半のボーナストラック部分はオリジナルの部分と異なり、音質が良くなった分、どうも分離が良く、ガッツが入らないので、ちょっと入り込みにくい。というのが、個人的な感想です。曲は相変わらずといった感じですので、決して出来が悪いわけではないんですけれど。なんなんだろうなあ。
7 Seconds – The Crew
こちらはハードコア・パンクだけれども、陽性な明るい響きを持っています。重さはないですが、疾走感が溢れる感じ。先ほどのDischageと比べると、曲も結構バラエティがあるし、歌もちゃんとキャッチーなフレーズがあって、爽やかさすら感じてしまう。
普通にパンクを聴きながら走る、という行為を考えたときに、純粋に楽しいのはこういう音楽ではないか、と思うわけです。Dischageがイルで陰鬱な空気で頭を満たして、負のエネルギーを借りて身体を動かすのに対して、こちらは頭カラッポにして、軽快にランニングできる。でも、やっぱり、ゆったり走るには不向きかな。
個人的に、アルバム中一番大好きな流れの「You Lose」~「What If There’s A War In America」の動画があるので、参考にして下さい。
UFO OR DIE - CASSETTETAPE SUPERSTAR
冒頭でBoredomsを紹介したので、派生バンドを紹介。山塚アイがギター、ボーカル、ヨシミがドラム。ハードコアではありますが、アルバム全体通して聴くと、どちらかというとJunk色が強い。90年代の輸入盤店に行くと、「Punk/Junk」みたいなコーナーがあって、そこにこういう良くわからん、騒々しい音楽が置いてあったりしたものです。
CASSETTETAPE SUPERSTAR / UFO OR DIE / CD ( Music )
DAIKI( 1995-01-01 )
定価:¥ 2,548 ( 中古価格 ¥ 2,200 より )
はっきり言って、アルバムとしてはランニングに向きません。というのも、パンク、というよりは、やはりジャンクであり、ノイズであるので、テンポが掴みづらいのです。後半もちょっとかったるいというかメチャクチャになってきてしまうので。。
しかし、このアルバムの「Dog Wave」から「GHETTO DNA (MOTORHEAD MIX)」の流れはあまりにもアドレナリンを放出してしまうので、ここ一番!という時に聴くと、非常に気合いが入ります。
Dog Waveの山塚の叫びから一気に疾走するビートになだれ込み、掛け合いの部分のヘビーさが素晴らしい。これも、ランニング中に川があるとダイブしたくなるタイプの曲ですね。一転、5拍子のスローなキメの部分なんかは走りながらヘッドバンギングしてしまいます。アルバム中、結構まともに楽曲になっているんで、聴きやすいです。次のGHETTO DNAの畳みかけるようなグチャグチャ演奏も、頭で理解できないんだけれど、走っちゃう。
そういえば、学生時代、「Dog Wave」はコピーしたなあ。あのバンド楽しかったなあ。ひねくれたパンクばっかりやってて。
最後に
今回は、ハードコア・パンクというテーマで色々な感覚のモノを紹介してみました。どれも、風景を楽しみながら走るとか、そういう余裕は感じることが出来ないので、大音量で音楽に没頭してしまうことをお勧めいたします。まあ、真っ当でない音楽を聴きながら走るのもなかなか楽しいものですよ。
パンク関連はひねくれたものがまだストックがあるのですが、次回は何をテーマにして書こうかなあ。
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